パニック障害

パニック障害の診断と治療につき、当院での考え方や治療方針を紹介します。

パニック障害の症状、パニック障害の診断

パニック障害は、突然起こる激しい動悸(脈が異常に速くなり、心臓の鼓動が激しく感じられます)や発汗、ふるえ、息苦しさ、胸の締めつけられ感、めまい、過呼吸(過換気とも呼びます。呼吸をたくさんし過ぎ、息の吸い過ぎの状態です)といった体の異常とともに、「このまま死んでしまうんじゃないか」「気が狂ってしまう」というような強い不安感に襲われる病気です。

この発作は、「パニック発作」と呼ばれます。

発作が起きるとひどく苦しいものですが、普通は15分以内に治まります

初めてパニック発作が起きると御本人も何が起きたのかわかりませんし、周りも驚いて救急車を呼んで救急病院に搬送されることもありますが、心臓も肺もどこも悪くないので、心電図や血液検査をしても何の異常もありません。(過呼吸がある場合は、血液中の酸素が過剰で二酸化炭素が減っていることがわかりますが、それは病気を示すものではありません。)

パニック発作を頻回に繰り返すことはまずありませんが、繰り返し発作があると、「また発作が起きないか」と怖くなり、発作が起きることを常に怖れるようになります。これが「予期不安」です。

「予期不安」は、「逃げ場が無い」と思える場所(「閉所」と言います)を怖れることになり(「閉所恐怖」と言います)、公共の場所で発作が起きることを怖れること(「広場恐怖」と言います)にもなります。

パニック障害の患者さんは、パニック発作よりも、予期不安や閉所恐怖に悩まされることが多いのです。

また、パニック発作が起きて人前で恥をかく状況を怖れるようになることも多く、「社交不安障害(SAD)」と症状が重なることもあります。

広場恐怖についての詳細は→院長ブログ「広場恐怖とは」

社交不安障害についての詳細は→院長ブログ「社交不安障害」

パニック障害の治療

薬物療法としては、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれる薬や、ベンゾジアゼピン系と呼ばれる抗不安薬が主体となりますが、一口にパニック発作・パニック障害と言ってもいろいろな病態がありますので、他の向精神薬を使う場合もあります。漢方薬が有効な場合も結構あります

パニック障害の心理療法(精神療法、カウンセリング)としては、認知行動療法が有名ですが、その他に、仕事や家庭の環境を見直しストレスを減らすこと(環境調整)や、自律訓練法などがあります。

生活習慣としては、カフェインをできるだけ摂らないこと、軽い運動をすること、睡眠時間を十分とることなどが大事です。

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パニック障害は、けっして「気のせい」ではありません。

パニック障害に悩む患者さんの御家族や友人、会社の方が、病気であると理解してくれるだけで患者さんはずいぶん楽になれます

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