認知行動療法ってむずかしい?

悩みや困っている事について、家族や身近な友人に相談してみたところ、「考え方を変えたほうがいいよ」とアドバイスされてしまう・・・よくある光景かもしれません。
そうですよね、ごもっとも。おっしゃるとおり。ただ、「その考え方を変える」ことが難しいのです。頼んでなくても勝手に考え方が頭に浮かんできちゃうんですから(ストレスがたまって抑うつ的になっている時は尚更そうなりがちです)。
まさに、「言うは易く行うは難し」。だいたい、「変えた方がいいとは思うけど変えられないことに悩む」というのが本当のところだったりして。ただ、「なかなか変えられないんだよね・・・」という思いそのものは、あるがままの自然な感情です。それはそれで、なんだかイイ感じです。
ところで、「考え方を変えるコツ」があるとしたら、なくはないのです(なんだか、まどろっこしい言い回しで失礼します)。そのコツですが、自分が「こうであるに違いない」と捉えている(思い込んでいる)内容に思い切って「突っ込み」を入れていくのです。
その時、自分以外の他人になったつもりで「そうかなあ。こういう見方もできるんじゃないの?」と新しい切り口で現象を眺めてみるとさらに良いです(自分のことを自分以外の視点で見つめる感じですね)。その作業をする際には、頭のなかだけで行うとややこしくなりますので、紙に書き出していくというやり方がおすすめです。
自分オリジナルの物の見方を新しい切り口で眺めてみた時、「うーん、絶対にAって思ってたけど、Bという見方もありかも。そう思ったほうが、ちょっと気持ちが楽かも・・・」ということに気づけたとしたら・・・。大げさかもしれませんが、「心のなかに新しい風が吹いてくる」ような体験になるかもしれません(新しいがゆえに違和感もあるでしょうが)。
考え方や捉え方、物の見方は自分の生きてきた証そのもの。それは大事な自分の一部でもあります。しかしながら、その「大事にしてきたもの(大事にしてきた物の見方)」のために苦しくなってしまったのなら・・・そろそろ、今までとはまた違う「大事なもの」を作っていってもいい時期なのだと思います。その時に認知行動療法が手助けになると思います。